キャラメル
帰宅ラッシュも終わる帰り道、
それぞれが静かに今日一日の働きを終える頃、
ピリリリリリ――ッ ドアの閉まる音。
息を切らし、電車に駆け込んできた、おばあさんふたり。
ほぼ満席の車内。
『どうぞ』
なんのためらいもなく、すっと席を譲る少年。
少し驚きながらも感謝して、ふたりのおばあさんは座った。
『ちょっとキャラメル買ってたら、遅くなっちゃって・・・』
おばあさんが手にしていたのは、
昔ながらのキャラメル一箱。
思わず微笑む私。
期待通り、少年にもひとつ。
『席、ありがとう、あなたもどう?』
少し恥じらいながら、手渡されるキャラメル。
無表情だった少年に、驚きの混じった笑顔。
甘くてこうばしいキャラメルの香りが、
そこにあったような気がする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キャラメルがつなぐ感謝のこころイキ。
わたしも一緒にキャラメル食べたかったな
日々是好日 (^-^)
by etzz
| 2006-03-11 22:44